皆さん、4/13は何の日か知っていますか?
東南アジアの国、タイの旧正月であるソンクランの初日です。ソンクランは水かけ祭りとも言われ、しばしばソンクラーンとも表現されます。ユネスコ無形文化遺産に登録され一段と有名になったタイのお祭りです。
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毎年4/13から4/15がソンクランのお正月
2024年はちょうど週末にかかり、4/13(土)~4/15(月)がソンクランのお正月です。現地の人は有給を付けて、4/10頃からお休みを取る人が多い様です。タイの方のお話しによると、前日に当たる4/12(金)は、直前に政府が祝日に指定したため、仕事を休める人はお休みになったと言っていました。最近タイでは、急に祝日が決まる事が多いそうです。翌日の4/16(火)もお休みだそうです。なお学校はこの週もお休みで、翌週から始まるとの事です。
ソンクランは、帰省と初詣
お正月と言えば、日本でも帰省する習慣がありますが、タイも同じで多くの人々が田舎に帰省します。多くの人がバンコクを離れるため、バンコク都内の道路は、毎日恒例の渋滞がほぼ無くなり、一部の路線を省き市内の高速道路は無料開放されます。そして、お正月初日の午前中は初詣があるため、お寺周辺の道路で渋滞が発生します。
ソンクランと言えば、水かけ
通行量がある道路の歩道上には、所どころでゴミ箱のような巨大バケツや屋台のジュース売りが使うどぶづけのような箱が給水所の様な感じで設置されます。この中に水をはり、多くの場合は氷を入れ、桶のような物を使って、通行するバイクやサムロー(英語でトゥクトゥクと呼ばれる三輪タクシー)、場合によっては自動車や通行人に水をかけていきます。
仏像や仏塔、さらに年長者などの手に水を掛けてお清めをするという伝統的な風習が受け継がれて来たソンクラーン。一年で最も気温の上がる季節の、暑さしのぎとしても親しまれてきました。
出典:タイ観光局
お清めと言えば、日本でも神社でお参りする前に、手を洗って清めますよね。実際、小さな子供を連れていると、バサっとかけるのではなく、子供の前までやってきて、子供の手をとり、その手にぱっぱとやさしく水をふりかけてくれる人が多くいました。
近年は世界的な異常気象の影響もあり、4月のタイは酷暑にしばしば見舞われています。ニュースによるとバンコク市内で40℃近くに達する日もあり、場所によっては体感温度が50℃を超える場合もあると言われています。この暑さしのぎに役立つのが水のかけあいです。
ピックアップトラック
日本ではあまり見かけない車種ですが、荷台に数人を乗せ、水を満載したバケツを搭載して、走り回るピックアップトラックが多く発生します。ちなみにこのピックアップトラック、ほとんどが日本車のトヨタです。
荷台の人たちは、水鉄砲や桶などを使って、路肩に設置された給水所にいる人々や、サムローの観光客、歩道で水鉄砲を持った人々に対して、水をかけていきます。水かけの為にあえて低速で走行するため、給水所の付近では、激しい水の掛け合いが発生する事もしばしば。遠くから見ていても楽しそうです。
バイク
タイでは、バイクに複数人が乗車でき、モトサイというバイクタクシーも存在します。そして、ピックアップトラックと同様に、バイクの同乗者が飛距離の出る水鉄砲を持ち、歩行者や給水所の人々に水をかけていきます。ピックアップトラックとは違い、正面からは水鉄砲が見えないため、反撃されるケースは少ない様です。
ソンクランでの水かけルール
無秩序にかけるという訳ではなく、水かけをやる意思表示といえる水鉄砲を持った人々が掛けられている印象でした。もちろん、人混みでは周辺の人々にも水がかかっていましたが。。。特に厳密なルールはない様で、暗黙のルールといったところです。但し、観光客などの、これらのルールを守らない人もいます。
なお、お寺の周辺では禁止だそうで、お坊さんにもかけてはいけません。
自動車にかける人はほとんどいません。サムローは観光客に人気の三輪タクシーですが、実は商売人が商材を仕入れて運ぶ際にもよく使用します。こんなケースの荷物を載せたサムローには水かけしません。観光客や水鉄砲を持った乗客であれば、サムローは激しい水かけにあいます。
バンコク市内のソンクラン水かけスポット
多くの人が帰省でバンコクを離れますが、それでもバンコク市内では数多くのイベントや水かけスポットが発生します。特設ステージが設置され、音楽イベントが催されたり、タイの有名人が登壇してトークショウが行われたり、巨大滑り台が設置されたりと、趣向を凝らしたイベントが目白押しです。
ソンクランを楽しめる大型商業施設
純粋に雰囲気を楽しんだり、濡れるだけがいい場合は、商業施設前がお勧めです。水かけができるエリアが囲いで指定されており、エリア内には水鉄砲などに自由に給水できるタンクも設置してあります。可能性はゼロではないですが、泥を塗られる事や色水をかけられる事はないでしょう。建物内での水かけはありません。但し、館内はエアコンをガンガンに入れているため、濡れた状態で室内に移動すると、風邪をひく可能性があります。
アイコンサイアム (Icon SIAM)
チャオプラヤ川の船着き場と建物の間の広場に、特設の噴水と水かけエリアがありました。また小さなステージが設置され、有名人と思われる人々が登壇した際は、カメラを構えた人々が取り囲んでいました。
エムスフィア (EMSPHERE)
ファミリーの子供連れでしたら非常におすすめのスポットです。施設前の水かけエリアは広くないですが、ミストと共に常に水が供給されており、無料で給水が可能です。水鉄砲で遊ぶキッズが多かったのも印象的でした。DJが音楽を流しており、中央付近はダンスフロアにもなっています。館内にも各所に小さなステージが設けられ、演奏が行われていました。入口付近はフードコートになっていますので、水かけをしない人は腰かけて待つこともできます。
ソンクランで訪れたい路上スポット
コロナ以降中止が続いていた各所の歩行者天国も、2024年に久しぶりに再開されました。
本格的な水かけを体験してみたい場合は、路上スポットに出かけてみましょう。場所によっては歩行者天国になり、普段とは全く違う光景になっている場所も多いです。なお、夕方から人々が押し寄せるため、日中は何もやっていない場合もあります。
王宮前通りを省き、公的な給水所はほぼ設置されていないため、水鉄砲への給水は給水屋台でお金を払って入れてもらう形になります。給水料の相場は10バーツ。屋台によっては通常の半額の5バーツと格安のものもあります。なお、スポット中心部では、20バーツだったり、水鉄砲のタンク容量で値段が変わったりと、屋台で給水する場合は、値段確認が必要です。なお、バケツには氷の塊をいれてあり、ガンガンに冷えた水で給水してくれます。
路上スポットでは、水の他に登場する物があります。「ディンソーポーン」と呼ばれる泥灰土です。水に溶かして使うのですが、まさに泥といった感じです。これをすれ違いざまに顔に塗られます。カオサンでは、塗りあっている人や、知らない人に塗ってと声をかける姿もよく見かけます。よく見ると、市内を走るバスにもたくさん塗られています。
シーロム通りBTS駅高架下 (Silom)
BTS高架下が歩行者天国になり、大勢の人が車道上を一方通行で練り歩きます。多くの店舗の店先には、ステージやDJブースが設けられ、さらに車道沿いには水鉄砲や給水の屋台ができます。
多くの商業施設では、入口に警備員が立ち、公共のトイレはないとの張り紙がしてあります。お手洗いは、ルンピニ公園内の公衆トイレを利用するとよいでしょう。
カオサン (Thanon Khao San)
入口にバリケードと検問所が設けられ、街全体が事実上の歩行者天国になります。但し、サムローなどの車両の通行があるので、完全な歩行者天国ではありません。無料の給水所はなく、多くの屋台が立ち並びます。大音量の特設ステージがあったり、バックパッカー街特有の雰囲気で盛り上がります。アジア版のUberであるGrabのプロモーション屋台が、防水ポーチとペットボトルの水を配っていました。また、カオサンの外側の道では、獅子舞いの行進が行われていました。
カフェなどのお手洗いは施錠してある事が多いです。カフェ利用者であれば、店員さんに言えば、鍵を貸してくれます。お手洗いに困った際は、カフェに入りましょう。なお、近隣のマクドナルドでは、お手洗いは使用できましたが、水鉄砲への給水が出来ないように、洗面の水道栓を閉めていました。
サイアムスクエア (Siam Square)
サイアムスクエア全体を囲うようにバリケードが設置され、出入口には検問所が設けられています。裏側などは出ることは出来ても、関係者以外は入れてくれません。入る際は、正面または横側の入口から入りましょう。夜になると、身動きが取れないくらい物凄い人混みになり、四方から水が飛んできます。至る所に水汲み場が設置されており、無料で給水が可能です。Pepsiのプロモーションが行われていて、ペプシ缶を無料で配っていました。
周辺の商業施設では、お手洗いの利用が可能でした。しかし、1階は故障で利用できなくなっているケースもありました。なお、道路を挟んだ反対側のMBKショッピングセンターは、ソンクラン期間以外でもお手洗いは有料です。
旅行でソンクランを訪れる際は…
この3日間のソンクラン期間中にタイを訪れる際は、まず、期間外にチェックイン・チェックアウトする様スケージュールを組み、期間内の宿移動は控えましょう。
安宿街で有名なカオサンは、実質の歩行者天国で泥ビチョ状態になります。宿の中も泥だらけだと思いますので、思いっきり泥ビチョを味わいたい場合を省き、他の地区に宿をとった方が良いでしょう。
4/13~15の間は、スーツケースを持っていようが、出張中でスーツを着ていようが、外ではお構いなしに水をかけられると思った方が良いです。外出する際は、サンダルなどに全身びちょぬれになってもよい格好で、防水バッグの外には濡れてはまずい物を持ち歩かない様にしましょう。
濡れたくないと思っている現地のタイ人は、この期間はまず外出しません。濡れたくないが外出する必要性がある場合は、タクシーをドアツードアで利用しましょう。なお、サムロー(トゥクトゥク)は、激しい水かけ対象になりますので、ご注意を!
ソンクラン期間はバンコクがおすすめ
この期間にタイを訪れるなら、断然バンコクがおすすめです。
スパなどで癒しの聖地と呼ばれているチェンマイをはじめとするタイ北部は、近年、この時期はPM2.5やPM10などの大気汚染が非常に深刻になります。
テレグラフ紙に掲載された調査によると、チェンマイの大気汚染の深刻度は、クウェートシティー、北京、カトマンズに次ぐ世界でワースト4とされ、現地でも、外出を避ける様言われています。あまり気にしない性格のタイ現地の人々が、皆口をそろえて、行かない方がいいと助言をしてくれました。数日間の滞在であっても、肺に深刻なダメージを受ける可能性があります。この時期に行われる焼き畑が大気汚染の原因と言われていますが、真相は不明です。
いずれにしても、大気汚染の少ないバンコク周辺にいるのがベストです。