イギリスへの大学留学について、実体験を元に、基礎知識の部分を掲載させて頂きます。
海外の教育制度は、中学が2年間で、高校が4年間のアメリカなど、日本とは違う年次制度の国が多いです。イギリスにおいて、大学は、3~4年間と、勉強するコースによって異なるのが特徴的です。また、アメリカや日本の様に、理論を学ぶのではなく、実務や実技を学ぶコースが多いのも特徴だと思います。実務を重視しているため、卒業までの間に1年間程度、インターンとして現場に出ることを求められるコースも多く実在します。
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イギリスでの大学選び
イギリスにも、私学と公立、国立など、多くの種類の学校が存在します。その中でも、イギリスらしいと思える特徴の学校は、元は王室が設立した学校で、統廃合を繰り返し国立となっている大学です。ロンドンだけでなく、王室に関係がある街に多く所在しています。大学自体は有名でない場合でも、王立由来のコースだけには非常に多くの志願者がいて、オーディションなどの実技の選抜を通り抜けないと入学できないコースがあります。
イギリスにおける国公立のUniversity(=大学)とは、Collegeの集まりである事が多く、このCollegeが日本でいう学部という扱いになります。それぞれのCollegeには、それぞれの独立した学校としての歴史があり、元は別々に設立された学校が、再編によって統合されて大学の一部となっているケースがほとんどです。
イギリス留学での学費について
学費は毎年改定が行われており、近年は値上げが続いている状況です。但し、ほとんどの場合、在学中はコースの修了まで入学時の学費が適用される場合が殆どです。また、日本の様な入学金や施設利用料などの隠れた費用も発生せず、Tuition Feesで掲示された料金と教材などの費用、滞在生活費のみで済みます。
一般的にイギリスでの学費は、私学が高く、国公立は圧倒的に安い傾向にあります。しかし、留学生は現地学生とは違う学費が設定されており、特に国公立においては、現地学生とは桁が違う値段が設定されているため、国公立の方が絶対に安いと一概には言えない状況です。とは言いつつも、日本で4年間私学に通うのと、留学生としてイギリスで国立に3年間通うのとでは、トータルではイギリスの方が安い場合もありますので、学費についてもしっかりとリサーチしましょう。
ピーターズの店主がイギリスに留学していた頃の学費は、現地の学生は年15万円程度、留学生は年150万円程度でした。今は円安といいつつも、当時は1ポンドが250円程度だったので、200円程度の今の方がレートとしては良い状況です。
学費はクレジットカード払い
留学生を受け入れている多くの大学では、学費がクレジットカード払いできます。クレジットカード払いならポイントも付きますし、何より振り込みの際に発生する高額な国際送金手数料がかかりません。なお、海外利用の決済は一律一括払いになります。
支払方法は大学や時期などケースバイケースで異なりますが、カード番号を伝えて遠隔で決済してもらうケースと、現地に渡航後にカード現物を手渡してその場で決済する場合があります。ピーターズの店主の場合は、大学の事務所で、カード現物を渡してその場で決済してもらいました。
ちなみに、100円で1マイル分のポイントが貯まるカードであれば、200万円の決済で、2万マイル貯まります。特典航空券を発券する場合、東京⇔ロンドン路線はおよそ往復6万マイルが相場の様です。3年間学費を払い続ければ、それだけで卒業式に出席するための1往復分の航空券が手に入る計算です。現地の生活費にも使用できるため、年会費がかかっても、ポイント加算が有利なカードを利用するのがおすすめです。
事前承認と限度額の一時増額を忘れずに
親の家族カードでない限り、学生で発行できるカードの限度額は10万円程度だと思います。学費のカード決済の場合、1年分の学費は最低でも150万円を超えますので、限度額をはるかに超える金額です。
金額が大きいため、必ずカード会社に事前承認と限度額の一時増額を依頼しましょう。利用目的は留学のための学費と伝え、国名、加盟店名となる大学名、1年分の学費の金額を伝えます。カードの利用実績がない場合など、事前の振込を求められる場合もあります。
ピーターズの店主は、高校卒業して直ぐに作ったカードで、渡航前に1年以上利用実績がありましたので、事前入金は求められずに決済が可能でした。この部分は、カード会社によっても対応が変わってくると思います。
イギリス留学で狙い目は国立大
国立や王立の場合、研究などの実績に応じてイギリス政府から支給される補助金の額が異なります。上位の大学は補助金による潤沢な運営資金がある一方で、下位の大学では運営資金を確保するために、現地学生より学費が高い留学生を積極的に受け入れる傾向にあります。
留学生を積極的に受け入れている大学の場合、受け入れに必要な周辺環境や制度が十分に整備されている場合が多いです。学生寮の設備がない大学でも、周辺でホームステイを有償で受け入れている一般家庭が多く、滞在先に困ることはありません。なお一般的に、学生寮よりも、ホームステイの方が家賃が安い事が多いですが、家庭により設定価格がバラバラのため、住まい探しはタイミングが重要になります。
ホームステイは、部屋貸しの賃貸物件
学生寮が整備されていない大学においては、ほぼ唯一の選択肢となるホームステイですが、日本で一般的に言われるホームステイとは感覚が異なりますので、注意しましょう。
ホームステイという物件は、1部屋貸しの賃貸物件になります。あくまで部屋貸しのため、日本の受け入れファミリーがやってる様な、至れり尽くせりのサービスはありません。イメージとしては、大家が隣の部屋に住んでいるアパートを借りていて、台所やトイレなどが共用になっている物件と思った方がよいです。
ホストファミリーは、積極的にコミュニケーションをとってくれる方もいますが、どちらかというと部屋にこもりきりでコミュニケーションがない方の方が多いです。子供が巣立って空いた部屋を学生に貸し、その家賃収入で生活しているといったパターンが多いです。食事を提供してくれるファミリーもありますが、家賃は高めでかつイギリス料理を好む日本人はあまりいないため、ほとんどの方は自炊になります。但し、台所は使用不可とするファミリーも一部いますので、滞在時の条件文は注意して確認しましょう。
イギリスは家賃が物凄く高い
家賃は週払いが基本で、物件広告も週払いで掲載されています。一般的に、ニュージーランドやオーストラリア人の多いハウスのルームシェアが最安で、ホームステイ、ハウスシェア、学生寮、YMCA等の提携宿泊施設、ワンルームなどの一般の賃貸物件の順で家賃が高くなっていきます。地方から出てきているイギリス人学生もホームステイを利用しますので、いい物件はあっという間に成約してしまいます。物件探しは早めに始める事をお勧めします。
ピーターズの店主の日本人の友人が住んでいたので見に行きましたが、激安のルームシェアの場合は、1部屋に何台もの2階建てベッドが並び、その1ベッドが割り当てられます。いつも誰かが寝ているため部屋は1日中薄暗く、台所などは明るいですが、生活の拠点はハウス外が基本になります。大学の図書館が24時間開いていたので、その友人はいつも図書館にこもっている様でした。家賃はホームステイの半額との話でしたが、私には難しいと思いました。
ルームシェアやハウスシェアは、大学では斡旋していません。ネットの掲示板などで広告されている事が多いのと、入居しているクラスメート等の友人からの口コミが大多数です。ピーターズの店主は、某不動産屋さんで、ハウスシェアを探してるお客さんをたまたま紹介してもらい、フランス人とモロッコ人の社会人とハウスシェアを経験しました。
留学は重いという方は、ワーキングホリデーがおすすめ
ワーキングホリデーなら、楽しく働きながらイギリスに滞在できますよ。
計画的な留学計画を
住む場所も決めずに渡英したピーターズの店主ですが、皆さんはしっかりと事前計画を立てて留学してくださいね。
ちなみに、ピーターズの店主は空港からスーツケースを引いて大学に行き、学生の宿泊先を斡旋しているアコモデーション・オフィス(Accommodation Office)の場所を教えてもらって、ホームステイの物件リストを貰いました。寮がない大学だったため、宿泊は大学の隣のYMCAを押さえてもらい、3日ほど滞在しました。公衆電話を使い、物件リストの安いお部屋の問い合わせ先に片っ端から電話して、内覧のアポを取った覚えがあります。
あと、イギリスの人ってお役所仕事をしている人が多いです。任せっきりにすると、最悪放置され、期日に間に合わないって事もしばしばあります。授業開始が迫っていたのですが、一向に滞在先の案内が来ないので、アコモデーション・オフィスに滞在先が決まらないと行かないぞと脅したつもりだったのですが、担当者曰く、決めなければ来ないと思って放置していたと言われました。授業開始に間に合わなくても、困るのは生徒であって、大学のスタッフは困らないんですね。日本の様な脅しが効かないので、急いでいるときはしっかり自分で動きましょう!