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公共交通機関の無料化の背景と目的
バンコクで公共交通機関が無料化される背景には、都市部の交通渋滞の緩和や環境問題への対応があります。交通渋滞は経済活動に深刻な影響を与え、排気ガスによる大気汚染も問題となっています。
スイスのIQAirによると、金曜日の時点で、バンコクは世界で4番目に大気汚染が酷い都市にランクインしたそうです。そのため、無料化は環境負荷の軽減と市民の生活環境向上を目的とした政策です。
タイ政府の政策と経済への影響
無料化政策は、タイ政府の交通インフラ整備の一環として位置付けられています。この取り組みにより、交通費削減が市民の家計に貢献し、可処分所得が増加することで経済全体に波及効果をもたらすと期待されています。また、交通の無料化は観光誘致の施策としても注目され、観光客の増加による地域経済の活性化が見込まれています。
PM2.5発生の主な原因
ソンクランの記事でも取り上げましたが、タイで大気汚染が深刻になるシーズンは、主に11月から4月にかけての乾季です。この時期には雨がほとんど降らず、空気中の汚染物質が地表に滞留しやすくなるため、PM2.5などの微小粒子状物質が基準値を超えることが頻繁にあります。
焼き畑
乾季には大規模な農地の焼き払いが各地で行われ、これがバンコクだけでなく田舎を含めた全域で大量の煙や微粒子を発生させています。
車両からの排気ガス
都市部ではコロナ前よりも交通量が増加し、交通渋滞が深刻です。これらの車両による排気ガスが主要な大気汚染源となります。
産業活動
工場や建設現場からの排出物も乾季に悪化する原因の一つです。
観光客への影響
この時期、特にチェンマイのような都市では、毎年のように空気の質が悪化し、健康被害が懸念されています。旅行者には以下の対策が推奨されてます。
マスクの着用
高性能なPM2.5対応マスクを着用することで、微粒子の吸入を防ぎましょう。
屋外への外出を控える
汚染が特にひどい日は、長時間の屋外活動や外出を避けましょう。該当地域の学校は臨時休校になっており、観光施設も臨時休業になる可能性があります。
大気汚染の状況を確認
ニュースサイトや「AirVisual」などのサイトまたはアプリを使って、大気汚染の状況、空気質指数 (AQI)をリアルタイムで確認しましょう。
この時期にタイを訪れる際には、大気汚染の状況に注意し、健康を守るための準備をしておくことが重要です。
公共交通機関の無料化の具体的な内容
今回の公共交通機関の無料化は、Paetongtarn Shinawatra首相の命により、2025/1/25から1/31迄の間、下記の3社が実施の対象になっています。
BTS (スカイトレイン・高架鉄道)
BTS、通称スカイトレインは、バンコク中心部の主要道路上空に建設された高架鉄道で、スクンビット線とシーロム線に加えゴールドラインの3路線で運行されています。
サイアムを乗換駅として、スクンビット線の北側はチャトチャックがあるドムアン空港方面から、東側はスクンビット通りをチャオプラヤ川の河口付近まで運行しています。
シーロム線は、サイアムのお隣のナショナルスタジアムを起点とし、チャオプラヤ川西岸のトンブリー地区へとつながっています。
ゴールドラインは、シーロム線のチャオプラヤ川西岸からアイコンサイアム方面へチャオプラヤ川沿いに運行している高架鉄道です。
MRT(地下鉄)
MRTは、バンコク市内および周辺部を結ぶ主要な移動手段です。
バンコク市内中心部を地下鉄として走るブルーラインのほか、高架鉄道のパープルライン、モノレールのイエローラインおよびピンクラインを運行しています。将来的には、オレンジラインとブラウンラインも計画される、広大な鉄道ネットワークです。
地下鉄のブルーライン以外は、市周辺部を運行しているため、観光で訪れる際は、乗る機会がまずないかと思います。
BMTA(バンコクバス公社)
路線バスで最大のネットワークを運行するバス公社(BMTA)が無料の対象になっています。バス公社(BMTA)のバスの代表例としては、エアコンなしの赤バス、緑ラインが入った青い屋根のエアコンバス、オレンジ色のエアコンバス、広告ラッピングのエアコンバスなどです。
バス公社以外の事業者が運行する路線バスは今回の無料の対象とは発表されていません。無料を目的として乗車する場合は、上記の特徴に加え、BMTAのロゴが付いたバスかどうかを乗車前に確認しましょう。
バンコクの交通事情と観光の際の注意点
日中の比較的混雑していない時間帯でも、BTSなら15分くらいの距離をバスだと1時間以上かかる事もしばしばあります。
バスやタクシーを使う場合はラッシュアワーを避け、目的地の近くまでBTSやMRTを利用することで、効率的に移動できます。
朝の7時から9時頃、夕方の17時から19時頃は混雑のピークです。この時間帯は非常に混み合うため、観光での移動はなるべく避けるのがおすすめです。